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入室参禅

 坐禅中、妄念に構わず一心に坐れと言われます。しかし、やってはみるものの、坐禅してどうなるのだ?という疑問が湧いてきます。これすら、遮断しろと言われても、それでも残る。

 

 どうしたら良いでしょうか。それには人の手を借りるのです。同じ経験をもってこれらを断ち切ってきた先輩の力を借りるのです。

 これが「入室参禅」です。公案を拈提して老師にそれを点検していただく。道標を示していただくのです。

 

 「入室参禅」するということは接心に参加するということでもあります。朝から夜まで食事以外は坐禅、入室参禅、拈提以外なにも行わないのです。これを数日繰り返します。この強制された時間の中に身を置き、考えては参禅で否定され、否定されては考えるということを何度も何度も繰り返していくうちに、考えること自体が止まってしまいます。

 

 本当のところを掴もうと思えば、入室参禅は欠かせません。