月に一度の「坐禅と法話の会」では、終了後、「禅の書」を実習いたします。 今回、ある女性の方が書かれた書を見てハットするものがありました。 今までの書は真面目に書かれているものの、発散したところがありました。 ところが今回の書は全体に落ち着きを感じました。大きく変わっていたのです。...
「江湖風月集」という禅宗で大事にしてきました漢詩集があります。 そこに「密室」と題しまして石林行鞏禪師の詩があります。 密室 只箇方方一丈中 漫天網子百千重 放一線開通汝氣 黄梅夜半送盧公 密室 只だ箇の方方一丈の中(うち) 漫天の網子、百千重。 一線を放ち開き、汝の氣を通ず 黄梅、夜半、盧公を送る...
これは禅の修行に用いる公案の一つです。 唐の時代の禅僧に俱胝和尚という方がおられました。この方は人に何を聞かれても指を一本立てるだけであったといいます。 そして亡くなられる(遷化と申します)時に、「私は師匠から教えていただいた指一本の禅をいままでずっと使い続けてきたが一生でも使いきれないものであった」と弟子に申されたのです。...
鉄舟会では月に一度、「坐禅と法話の会」を開催しています。今月はそもそもなぜ坐禅をするのか、ということについてお話しました。
一言でいうと、坐禅は気力を充実させ、その瞬間にくいのない人生を送るためにやるのだ、ということです。
そこで坐禅の要点は次のようになります
坐禅をして、なるほどと思うには時間がかかります。年の単位です。しかし、取り掛かりを間違えてしまうと、何年やってもはかばかしくないのです。坐禅を始める人にはここを強く意識していただきたいのです。
自転車に乗ることを考えてください。
はじめての子供に普通の自転車を与えて山の岩のごつごつとしたところで
鉄舟会では書を併修いたします。しかし、通常の書道とはいささか趣が異なります。 禅宗では「今」ということを大変重視し、その瞬間に己の全てを集中させます。それを書をもって体現しようということです。 実際書いてみると、一画の線を引くのでもこれが思うようにいきません。...
皆さんは一休さんの法語というのをご存知でしょうか。 一休さんといえば頓智や狂雲集などで有名ですが、幾つかの法語を残されています。般若心経を解説したもの、仮名法語などです。 鉄舟会で毎月行っております「坐禅と法話の会」では一昨年、「般若心経」を拝読しました。現在は「仮名法語」に参じております。...
坐禅をする動機は人様々ですが、長い修行期間中にその意味が曖昧になってくることがあります。
始めの動機が強いものでも時が経つにつれて風化するからです。
そんな時に自分の生きて来た生き様を振り返ってみてください
坐禅中、妄念に構わず一心に坐れと言われます。しかし、やってはみるものの、坐禅してどうなるのだ?という疑問が湧いてきます。これすら、遮断しろと言われても、それでも残る。
どうしたら良いでしょうか。それには人の手を借りるのです。
これも僧堂で老師の隠侍をしていた時の話です。月に一度くらいは精進カレーライスが出ました。老師のお皿にご飯とカレーを盛る時に私は今では普通の盛り方をしておりました。カレーの量はご飯に掛けて食べるのに十分な量です。
ところが、老師にお出ししたら、大目玉です